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2007年12月26日

不思議な少年/山下和美

久々に読んだこの作品。

火の鳥が手塚治虫の描く人間賛歌なら、この作品は山下和美が描く人間賛歌に他ならない。
と言うと火の鳥の焼き直しかと思われるかもしれないが決してそうではない。
この作品が火の鳥と大きく違う点は、火の鳥は物語の中枢を担わない(基本的に傍観者)であるのに対して、不思議な少年は常に物語の真ん中に在り続ける(演者である)と言う点。
また火の鳥が仏教的観念から見た人間の原罪をテーマにしているのに対して、この作品ではあくまでリアルな人間の持つ咎、本能よりももう少し上位に関連する全ての人間が普遍的に持っているものでありながら、なるべく意識したくない、人間が本来的に持つ穢れをテーマにしている。

ここまで書いて分かる通り、非常に哲学的で重たいテーマの作品。
けれど山下さんの画力と独特のシニカルさによって非常にテンポ良くそれらが描かれ、読後感として重たいものはあまり残らない。
けれど読めば読むほど深くへ行ける様な、そんな作品。

やっぱ良いわー、これ。

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